自戦記 第8局 練習対局(先)居飛車5筋位取り 対 四間飛車
(掲載日、令和2年4月29日・水)
対局日 令和2年3月 持ち時間無制限
(会場 宇都宮将棋センター)
(先手)三段格 小学4年生男子(当時)
(後手)五段 門屋 良和
初手からの指し手(横へ読んでいく)
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △3二銀
▲3六歩 (途中図) △4二飛 ▲6八玉 △6二玉 ▲7八玉 △7二銀 ▲5八金右△7一玉 ▲5六歩 △4三銀 ▲6八銀 △8二玉 ▲9六歩 △9四歩 ▲5七銀左△6四歩
(第1図)
当時、小学4年生との一局、平手で先手番を持つ。
▲3六歩(途中図)の後、私が四間飛車に振って第1図まで進み、
居飛車▲5七銀左 対 四間飛車美濃囲いの対抗形となった。
第1図からの指し手
▲4六歩 △3三角 ▲3七桂 △3二金 ▲1六歩 △1四歩 ▲4七銀 △7四歩 ▲5五歩 △5四歩 (第2図)
第1図からの▲4六歩では、先に▲2五歩△3三角と決めてから、▲4六歩もある。そうすれば、次に▲4五歩△同歩▲3三角成△同桂▲2四歩△同歩▲同飛と攻めることができる。
△3三角には▲3七桂と跳ねる。▲2五歩の飛車先の歩を進めないところを見ると、▲2五桂の角取りを含みにした作戦でも考えていたのかもしれない。
駒組が進んで、▲5五歩と5筋位取りの構想をみせてきた。
▲5六銀と位を確保される前に、△5四歩(第2図)と反発した。
第2図からの指し手
▲5六銀直△5二飛 ▲5四歩 △同 銀 ▲5五歩 △6三銀引 ▲3五歩 △同 歩 ▲4五歩 △4三金 ▲4四歩 △同 金 ▲4五桂 △5一角 ▲3八飛 △3三桂 ▲同桂成 △同 角
▲4五歩 △5五金 (第3図)
▲5六銀直に、△5二飛と5筋へ飛車を寄る。
▲5四歩と歩を取るところでは、▲4五歩(A図)が良かった。
△同歩は▲同桂で桂が活用できるし、▲4六銀の二枚銀の活用にもつながる。
A図から△5五歩には▲同銀△4五歩(銀取り)に、▲5六銀(B図)
と上がり、次に▲4五桂の角取を見せてよい。
△5四同銀▲5五歩△6三銀引に、▲3五歩△同歩を入れて、▲4五歩
と軽妙に攻めてくる。
△4三金には▲4四歩△同金▲4五桂(角取り)だ。
△5一角では、△4五同金(C図)と桂を取るのが良かった。以下、
▲同銀△5五飛(D図)と強く出て、▲同角は△同角の飛車香両取りを狙うべきであった。
▲3八飛はチャンスを逃した。ここは、▲5四歩(E図)と進めて角で金取りにし、△同飛(△同金は▲1一角成)に▲5三桂成(F図)と飛車取りに捨てれば、△同飛に▲4四角で金が取れた。実に惜しい!
△3三桂▲同桂成△同角と、桂交換ができたのは後手側にとって大きかった。遊んでいる状態の桂が、持ち駒になった。
▲4五歩に△5五金で第3図となる。
第3図からの指し手
▲5五同銀△同 角 ▲同 角 △同 飛 ▲4六角 △4五飛 ▲5五金 (第4図)
▲5五同銀と金を取るところでは、▲3五飛(G図)と角取り出てみたいが、△2四角▲3六飛△4六歩(H図)の銀取りがあっていけない。
他には、▲4四桂(I図)と角道を止めながら飛車取りに打つ手はあった。以下、△同角(△5三飛は▲5五銀と金が取れる)▲同歩△5六金
▲4三歩成(J図)の飛車取りで勝負だ。
角交換となって、▲5五金(第4図)の飛車取りに対し、私は決めに行った。
第4図からの指し手
△4六飛 ▲同 銀 △4五歩 ▲同 金 △6六桂 ▲同 歩 △5六角 ▲6七桂 △3八角成▲2一飛 △6五歩 ▲5五桂 (第5図)
▲5五金(第4図)の飛車取りには、△4六飛と角と交換をし、▲同銀に△4五歩と銀取りに打つ。▲4五同銀、▲5七銀でも△4六桂の両取りがある。
本譜は▲4五同金と取ったため、△6六桂の王手飛車の筋が生じた。
▲6六同歩に△5六角が王手飛車である。
▲6六同歩で▲8八玉とかわすのは、△5八桂成(金を取る)▲同飛(▲同金は△4九銀の飛車金両取り)△4七角の飛車取りで十分。
△5六角に▲6七桂と守り、△3八角成と飛車を取る。
▲2一飛△6五歩(桂頭攻め)に、▲5五桂(第5図)の銀取りは
上手い! 先ほど、▲6七桂と守った手が、攻め駒に変わった。
第5図からの指し手
△5六馬 ▲6七金 △4八飛 ▲5八桂 △6七馬 ▲同 玉 △4七飛成▲7八玉 △5六角 ▲8八玉 △8九角成 ▲同 玉 △8七竜 ▲8八歩 △7七桂 ▲7九玉 △7八銀 ▲6八玉 △6九桂成(投了図)
まで、90手で門屋五段の勝ち
▲5五桂(第5図)の銀取りには、△5六馬(王手)と引く。
この時、先手側には残念ながら適当な受けがない。
▲6七桂の守りなら△6六歩の桂取りの攻め合いで後手側勝ち。
また、▲8八玉とかわすのは、△8九馬▲同玉△7七銀(K図)と詰めろをかけ、▲6三桂成(▲7八金は△8五桂)△8八飛▲7九玉△6八角
▲同金上△同飛成▲同金△6七桂▲6九玉(▲同金は△7八金)△5九金
(L図)までの詰みとなる。
したがって、▲6七金と上がって守ったが、△4八飛(王手)が手順。
▲5八桂に、△6七馬▲同玉△4七飛成と寄せていく。
▲7八玉(▲5七歩は△5六角)に、△5六角から詰みとなった。
△8七竜に▲8八歩で、▲7九玉も△7七竜▲7八金(▲7八角は
△8八金)△6八金▲8九玉△7八竜まで。
本譜、▲8八歩△7七桂▲7九玉△7八銀と進み、▲7八同金なら△6九金の詰み。
▲6八玉に△6九桂成(投了図)で終局となった。
本局は、▲2五歩と飛車先の歩を進めない珍しい戦いとなったが、右桂のさばきが惜しまれた一戦であった。
令和2年3月
先手:三段格 小学4年生男子(当時)
後手:五段 門屋 良和
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △3二銀
▲3六歩 △4二飛 ▲6八玉 △6二玉 ▲7八玉 △7二銀
▲5八金右 △7一玉 ▲5六歩 △4三銀 ▲6八銀 △8二玉
▲9六歩 △9四歩 ▲5七銀左 △6四歩 ▲4六歩 △3三角
▲3七桂 △3二金 ▲1六歩 △1四歩 ▲4七銀 △7四歩
▲5五歩 △5四歩 ▲5六銀直 △5二飛 ▲5四歩 △同 銀
▲5五歩 △6三銀引 ▲3五歩 △同 歩 ▲4五歩 △4三金
▲4四歩 △同 金 ▲4五桂 △5一角 ▲3八飛 △3三桂
▲同桂成 △同 角 ▲4五歩 △5五金 ▲同 銀 △同 角
▲同 角 △同 飛 ▲4六角 △4五飛 ▲5五金 △4六飛
▲同 銀 △4五歩 ▲同 金 △6六桂 ▲同 歩 △5六角
▲6七桂 △3八角成 ▲2一飛 △6五歩 ▲5五桂 △5六馬
▲6七金 △4八飛 ▲5八桂 △6七馬 ▲同 玉 △4七飛成
▲7八玉 △5六角 ▲8八玉 △8九角成 ▲同 玉 △8七竜
▲8八歩 △7七桂 ▲7九玉 △7八銀 ▲6八玉 △6九桂成
まで、90手で門屋五段の勝ち