宇都宮将棋センター将棋自戦記

                                          (門屋良和)

自戦記 第5局 練習対局(相横歩取り)   

                 

               (掲載日、令和2年1月8日・水)

 

対局日 令和元年11月② 持ち時間無制限

 

   (会場 宇都宮将棋センター)

                  

 

(先手)初段 小学六年男子

 

(後手)五段 門屋 良和(宇都宮将棋センター)

   

 

 

初手からの指し手(横へ読んでいく)

 

▲7六歩  △3四歩  ▲2六歩  △8四歩  ▲2五歩  △8五歩  

▲7八金  △3二金  ▲2四歩  △同 歩  ▲同 飛  △8六歩  

▲同 歩  △同 飛  ▲3四飛 △8八角成(途中図)▲同 銀 △7六飛  

▲7七銀  △7四飛  ▲同 飛  △同 歩  ▲4六角  △8二歩  

▲8三歩(第1図)

 

 

 練習対局から(先手)小学六年との対戦その2。

  

 

  戦型は横歩取りとなり、▲3四飛に△8八角成(途中図)△同銀で

 

角を交換し、△7六飛と私も横歩を取って、相横歩取りとなった。

 

 

 △8八角成のところで、先に△7六飛と横歩を取ると▲2二角成

 

(A図)で終わってしまう。A図から△同金でも△同銀でも、飛車で銀か

 

金を取りながら成られてしまう。

 

 

 

 

 ▲7七銀の飛車取りに△7四飛で飛車をぶつけ、小学六年生は強く

▲同飛を選択し(▲3六飛も一局)、△同歩に▲4六角と打って香取りにした。

 

 △8二歩(△8二角が一般的)に、▲8三歩と打つ。もちろん、△同歩は▲9一角成で香が取れる。

 

 

第1図からの指し手

      △7二金  ▲8二歩成 △同 銀  ▲同角成  △同 金  

▲7一飛(第2図)

 

 ▲8三歩に△7二金と上がる。

 

 そして、▲8二歩成△同銀に、▲同角成と角銀交換の強襲にきた。

 

 ▲8二角成では、▲8三歩と銀取りに打つ手があり、△7三銀(△8三同金は▲8四歩)▲同角成△同桂▲8二歩成△同金▲7一飛(B図)

△6一飛▲8三歩△7一飛(△8三同金は▲7二飛成)▲8二歩成

△6五桂(C図)(△6一飛は▲7二と)の展開となる。

 

 ▲7一飛で第2図となった。

 

第2図からの指し手

      △4二玉  ▲8三歩  △8四飛  ▲8二歩成 △8九飛成 

▲7九歩  △8二竜  ▲6一飛成 △3三玉(第3図)

 ▲7一飛(第2図)に△4二玉とかわしたが、強く△6二玉(D図)もあった。

 D図から①▲4一飛成なら△6一飛(E図)と打って飛車交換になり、②▲7四飛成は△8三角(F図)▲7六竜△4七角成で、次に△6九飛の

詰めろを見せてよかった。

 

 ▲8三歩の金取りに、△8四飛と打ちかえす。

 

 ▲8二歩成(▲8八銀の守りは△8三飛)で金を取り、△8九飛成

(王手)▲7九歩に、△8二竜と引き付けてと金を払いつつ飛車取りに

した。

 

 ▲6一飛成には、△3三玉(第3図)と▲4一金からの王手金取りを防いで早逃げをした

 

 なお、△3三玉のところ△5二角の竜取りは考えられるが、▲8三歩

(G図)と竜取りに打たれ、△同竜(△6一角は▲8二歩成)なら

▲5一銀(H図)△4一玉(△3三玉は▲5二竜)▲5二竜△同玉

▲6二金△4一玉▲5二角(I図)の詰みがあり、△5二角の受けは

危険である。

 

 

第3図からの指し手

▲6三竜  △3四歩  ▲5三竜  △4二銀  ▲5六竜  △7三桂  

▲3六歩  △2三歩  ▲3七桂  △2二玉  ▲4五竜  △8五竜 

▲3四竜  △6五桂 (第4図)

 

 

 先手側からの指し手が難しくなってきた。

 

 ▲6三竜に△3四歩と打って玉頭を守った。

 消極的な手に見えるが、先手側に動いてもらって反撃を考えていた。

 

 ▲5三竜に△4二銀と上がって竜取りにし、▲5六竜(▲4四銀は

△2二玉と引いて大丈夫)に、△7三桂と跳ねて遊び駒の活用を図った。

いずれ、△6五桂と跳ねれるタイミングができれば、銀取りにしつつ攻めることができる。

 

 ▲3六歩は急所の一手、▲3五歩からの玉頭攻めを見せた。

 

 △2三歩はこれも消極的な受けに見えるが、△2二玉と引いたときに

▲2四歩の垂れ歩を警戒したもの。

 玉の目前に歩を打たれるのは、相当目障りである。

 

 ▲3七桂は▲3六歩からの継続手。

 狙いは▲3五歩と突き捨てて△同歩に▲4五桂(王手)の攻めだ。

 

 したがって、その攻めが来る前に△2二玉と引いてあらかじめ備えた。

 

 ▲4五竜には△8五竜で、竜がぶつかり合う。

 ▲同竜は△同桂で、銀取りになる仕組み。

 

 ▲3四竜に△6五桂(第4図)と跳ねて、銀取りにした。

 

第4図からの指し手

▲6八銀  △5五角  ▲3八銀  △5六歩  ▲2四歩  △3三銀  

▲2三歩成 △同 金  ▲5四竜  △5七桂成(第5図) 

 

 △6五桂(第4図)の銀取りに▲6八銀と引く、そこで△5五角が攻防の一手で桂香の両取りでもある。

 

 ▲3八銀の守りに、いったん△5六歩と打つ。▲同歩なら△1一角成としておいて、後に空間となった5七の地点に△5七歩などの攻めを見せた。

 

 ▲2四歩は急所、△同歩なら▲2三歩(J図)△同金(△3一玉は

▲2二金)▲3二金が嫌味である。

 

 △3三銀と竜取りにして上部を厚くし受けた。

 

 ▲2三歩成△同金に、▲5四竜で▲3一銀(王手)は、△同玉▲2三竜

△3二銀(K図)と受けて十分。

 

 ▲5四竜は5五の角取りであるが、△5七桂成(第5図)がピッタリで、竜が角を支えている。

 

第5図からの指し手

▲2四歩  △同 金  ▲2五歩  △3四金  ▲2四銀  △2三歩  

▲3三銀成 △同 金  ▲5二竜  △3二歩  ▲4五桂  △1五角

                                (第6図) 

 

 ▲2四歩の金取りから、歩を打って後手陣を乱す。

 歩の活用で小技をかける、上手くなった。

 

 ▲2五歩(拠点となる)には△3四金と横にかわし、▲2四銀に

△2三歩(打たないと△2三金の筋)と守る。

 

 ▲3三銀成△同金▲5二竜(王手)△3二歩の守りに、▲4五桂と跳ねて金取りへ。

 

 そこで、△1五角(第6図)の王手が決め手となった。

 

 

第6図からの指し手

▲6九玉 △7七桂 ▲同 銀  △5八銀  ▲同 金  △同成桂  

▲同 玉 △5七金 ▲6九玉  △5九角成 ▲同 玉 △7七角成(投了図) 

 

まで、88手で門屋の勝ち

 

 ▲1五角(第6図)で決まった。

 ▲3七銀打は△同角右成から、▲4八銀の受けも△同角成から長手順の詰みがある。

 例えば第6図から、▲4八銀は△同角成▲同金△同成桂(L図)

▲同玉△5七銀▲同銀△同歩成▲同玉△4八銀(M図)▲同玉△5六桂

▲5八玉△5七歩(N図)▲同玉△4八銀▲5六玉(▲5八玉は

△5九金)△6五金(O図)まで。

 

 本譜、▲6九玉にも△7七桂と捨て、(変化)▲同金なら△6八成桂

▲同玉△5七銀▲7八玉(▲6九玉は△6八銀打)△7七角成(P図)

から詰みとなる。

 

 ▲7七同銀に、△5八銀から終局まで一本道の手順となった。

 投了図以下は▲7七同金に△5八銀まで。

 

 

また、次回の対局を楽しみにしている。

 

 

令和11月②

先手:初段 小学6年生男子

後手:五段 門屋良和

 

▲7六歩  △3四歩  ▲2六歩  △8四歩  ▲2五歩  △8五歩  

▲7八金  △3二金  ▲2四歩  △同 歩  ▲同 飛  △8六歩  

▲同 歩  △同 飛  ▲3四飛  △8八角成 ▲同 銀  △7六飛  

▲7七銀  △7四飛  ▲同 飛  △同 歩  ▲4六角  △8二歩  

▲8三歩  △7二金  ▲8二歩成 △同 銀  ▲同角成  △同 金  

▲7一飛  △4二玉  ▲8三歩  △8四飛  ▲8二歩成 △8九飛成 

▲7九歩  △8二竜  ▲6一飛成 △3三玉  ▲6三竜  △3四歩  

▲5三竜  △4二銀  ▲5六竜  △7三桂  ▲3六歩  △2三歩  

▲3七桂  △2二玉  ▲4五竜  △8五竜  ▲3四竜  △6五桂  

▲6八銀  △5五角  ▲3八銀  △5六歩  ▲2四歩  △3三銀  

▲2三歩成 △同 金  ▲5四竜  △5七桂成 ▲2四歩  △同 金  

▲2五歩  △3四金  ▲2四銀  △2三歩  ▲3三銀成 △同 金  

▲5二竜  △3二歩  ▲4五桂  △1五角  ▲6九玉  △7七桂  

▲同 銀  △5八銀  ▲同 金  △同成桂  ▲同 玉  △5七金  

▲6九玉  △5九角成 ▲同 玉  △7七角成 まで、88手で門屋五段の勝ち