自戦記 練習対局 第1局目 (掲載日、令和元年7月21日・日)
対局日 令和元年7月4日(木)持ち時間は無制限
(会場 宇都宮将棋センター)
(先手)初段 H・M(40歳・男性)
(後手)五段 門屋 良和(宇都宮将棋センター)
初手からの指し手(横へ読んでいく)
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩△8四歩▲6八飛(途中図)
△8五歩 ▲7七角 △6二銀 ▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉
△3二玉 ▲2八玉 △5二金右 ▲1六歩 △1四歩
▲3八銀(第1図)
練習対局はHさんの先手番で始まる。
▲6八飛(途中図)の四間飛車に対し、私は居飛車で対抗。
▲3八玉で穴熊(囲い)も予想されたが、Hさんは▲3八銀(第1図)
で美濃囲いを選択した。
第1図からの指し手
△5四歩 ▲7八銀 △7四歩 ▲5八金左 △4二銀
▲5六歩 △5三銀左 ▲9八香 △4二金上 ▲9六歩
△9四歩 ▲4六歩 △7二飛(第2図)
△5三銀左で急戦志向。
続く△4二金上で、△7五歩の早仕掛けは、同歩、6四銀
7四歩(桂を捌かせない)、7五銀、6五歩、7七角成、同銀
8六歩の時、▲4六角(A図)の飛車取りが嫌味だ。
△7二飛(第2図)で、鷺宮(さぎのみや)定跡となった。
第2図からの指し手
▲6五歩 △7七角成 ▲同 銀 △4四歩 ▲4七金
△4三金右▲3六歩 △5一銀 ▲2六歩 △5二銀
▲6四歩 △同 歩 ▲2七銀 △8二飛 ▲3八金(第3図)
第2図から▲6五歩のところでは、▲6七銀もあり、以下△7五歩、
同歩、6四銀、6五歩、7七角成、同桂、7五銀、8五桂、7六歩、
▲7八飛(B図)の進行が予想される。
本譜、▲6五歩(角の捌き)に△7七角成で角交換。
進んで、△5一銀では、△7三銀~△6四歩と歩の交換にもっていくの
もある。
歩を交換した後に、△6七歩(飛車の叩き)と打ち、同飛なら、
△7八角の両取り(飛桂)を狙う手順だ。
Hさんの▲6四歩の突き捨ては早い感じ。
ここでは、▲6六銀が有力であった。(他に、▲3七桂もある)
△8二飛なら▲9七角(端角)と打ち、以下△3三桂▲5五歩、同歩、
同銀、5四歩、4六歩、同歩、同銀、銅銀、▲同角(C図)の捌き。
※なお、▲9七角に△9五歩は、同歩、同香、5三角成、同銀、
▲9五香(D図)の二枚替えで振り飛車側が良い。
Hさんは▲2七銀から▲3八金(第3図)で銀冠を組む。
第3図からの指し手
△7三桂 ▲8八飛 △6五桂 ▲6六銀 △8六歩
▲同 歩 △9九角 ▲6八飛 △8六飛 ▲6五銀
△同 歩 ▲7七桂打 △8九飛成 ▲6五桂 △6四銀
▲9七角(第4図)
第3図からの△7三桂が、次に△6五桂跳ねの銀取りをみせて厳しく
なった。
前に指した▲6四歩が早かったのは、△6五桂の筋があったから。
▲8八飛には、△6五桂、6六銀、8六歩(突き捨て)、同歩に
▲9九角の飛車取りが急所の一手。
▲6八飛(それ以外では△6六角成で銀が取られる)に、△8六飛で
居飛車側が捌けて良し。
▲6五銀(桂を取る)には△同歩(銀を取り返す)と応じて十分。
▲7七桂打は、何が何でも▲6五桂から飛車の捌きを見越した。
しかしながら、△8九飛成(手順に桂を取る)が手順の一手。
Hさんは、▲6五桂(銀取り)△6四銀に、▲9七角(第4図)の銀取
りで勝負にでた。
第4図からの指し手
△8六歩 ▲8七歩 △同 竜 ▲5五歩 △6七歩
▲4八飛 △6五銀 ▲5四歩 △6六角成 ▲7九角
△5六歩 ▲4五歩 △同 歩 ▲1五歩 △7六竜
▲8八角 △同 馬 ▲同 飛 △5五角(投了図)
まで、80手で門屋五段の勝ち
第4図・▲9七角の銀取りには△8六歩(角道を止める)で角の働きを
弱めるのが良い。
▲8七歩(▲8六角の狙い)には△同竜として、あくまで角を封じ込め
る。居飛車側は、振り飛車側の大駒を捌かせないことがポイントだ。
▲5五歩(取れば▲5三歩の銀取りの筋)に、△6七歩(飛車取り)と
叩き、▲4八飛に、△6五銀(桂を外す)で万全の態勢へ。
△6六馬と引いて働きを良くし(飛車取りでもある)、▲7九角
(▲5七角と馬にぶつける狙い)に△5六歩で手段を与えない。
▲4五歩には素直に△同歩と応じた。4五の位は大きい。
▲1五歩には△7六竜(角取り)と引き、▲8八角(馬にぶつける)に
△同馬、同飛となって、△5五角(王手飛車・投了図)で終局となった。
先手側からは、攻めも受けの手段もないので投了はやむを得ない。
本局の敗因は、中盤の▲6四歩(突き捨て)が早かったことにあると思う。